クラビットとサワシリン
性病治療に多く用いられるのはサワシリンよりもクラビット
クラビットもサワシリンも抗生物質です
クラビットもサワシリンもどちらも抗生物質で、細菌が原因で発症する感染症の治療薬として使われています。ただし、抗生物質にもいろいろな種類があり、クラビットはニューキノロン系なのに対してサワシリンはペニシリン系と、分類が異なります。クラミジアや淋病など炎症系の性病治療においてはどちらも有効ですが、近年ではペニシリン系の抗生物質に対して耐性を持つ細菌が増えているため、ペニシリン系のサワシリンでは、服用しても治療効果が出ないリスクがあります。そのため、病院で治療薬を処方される時には、サワシリンよりもクラビットが処方されることが多いですね。もちろん、耐性を持っていない細菌の場合にはサワシリンを飲んでも十分な治療効果がありますし、完治することも十分に可能です。しかし細菌が耐性を持っているかどうかは見た目で分かるわけではないため、サワシリンで治療をする場合には一定期間服用してみて、効果がなければクラビットなど別の薬に切り替えるという治療法を選択しなければいけません。そうすると、治療に時間がかかってしまうというデメリットが発生してしまいます。
クラビットは耐性を持つ細菌が少ない
ペニシリンは従来の感染症治療に使われていた薬剤で、クラビットよりも長い歴史があります。サワシリンのようなペニシリン系の薬剤に対して耐性を持っている細菌が多いのはそのためなのですが、クラビットのようなニューキノロン系の薬剤に対しては、まだ耐性を持つ細菌がほとんどいないため、かなり高い治療効果が期待できるのです。
また、ペニシリン系ではなくニューキノロン系の抗生剤がよく用いられることには、他にも理由があります。それは、ペニシリン系の薬剤に対してアレルギーを持ってしまう患者さんが少なくないということです。ペニシリンはアレルギーを起こしやすいという性質があるため、患者さんの体質や体調によっては、薬剤の服用によって体がかゆくなったり蕁麻疹ができたり、アレルギー反応を起こすリスクがあります。場合によってはアナフィラキシーショックなど命にかかわる重大なアレルギー反応を起こしてしまう可能性もあるため、そうしたリスクを予防するという点でも、クラビットなどのニューキノロン系の抗生物質が多く処方されるのかもしれませんね。性病治療の薬剤は、今後も少しずつ変わっていくかもしれませんが、現在ではクラビットのようなニューキノロン系やジスロマックのようなマクロライド系のものが多く用いられています。